指先からはじまるSweet Magic
途中から、あまりの気持ち良さに声を出すことすら出来ず、気付いたら完全に微睡んでいた。


「はい、お疲れ様。……って、里奈?」


顔にかけたタオルを外しながら、圭斗の声が呆れたように呟くのが聞こえる。


「……里奈」


更に呼び掛ける甘い声。


出張帰りで疲れていて、この極上の魔法を味わってしまったら、身体を起こすのすら気だるい。
それに……出店準備で忙しくなる圭斗に、プライベートで甘えている訳にもいかない。
こんな幼なじみ特権を駆使出来るのはこれが最後かも、と思ったら、目を開けずにこのまま余韻に浸っていたい、とも思った。


もう少し。もう少しだけ。


自分にそう言い聞かせながら、私は目を開くタイミングを遅らせる。


「……本当に、寝ちゃったの?」


探るような圭斗の声が耳をくすぐる。
濡れた髪を軽く撫でる圭斗の手に、甘い疼きに似た感覚を身体に宿した。
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