指先からはじまるSweet Magic
「いえ、これが私の仕事ですから。どうぞ、お気遣いなく」
半分頬を引きつらせながらそう断った時、青木!と、また別の声が私を呼んだ。
呼ばれたのは私なのに、長谷さんも一緒になって振り返る。
外出帰りなのか、スーツの上着を手にぶら下げて、軽くネクタイを緩めながらこっちに近付いて来るのは、同期入社の市川君だった。
「いや~、今日、外、蕩けそうなくらい暑いぞ~」
そう言って屈託のない笑みを浮かべながら、市川君は長谷さんを丸無視して私の前に立つ。
そして、
「おっと、もう昼の時間だ。青木、約束ないなら、メシ行こうぜ、メシ」
当たり前のように強引に、私の腕をグッと掴んだ。
それを見て、長谷さんが憤慨して鼻息荒く市川君を睨んだ。
「市川、青木さんは俺が……」
「あ、長谷さん、お疲れ様です。って、何? 青木、長谷さんと約束してた?」
小首を傾げてそう聞かれて、私は反射的にブンブンと首を横に振った。
「あ、あの、長谷さん。お礼とか、ほんと気にしないで下さい。それじゃ」
私の返事を聞いて、市川君はニヤッと笑うとそのまま私の腕を強く引っ張る。
「あ、おい!」
その場に長谷さんを一人置いてけぼりにして、私は市川君と逃げるようにランチに繰り出した。
半分頬を引きつらせながらそう断った時、青木!と、また別の声が私を呼んだ。
呼ばれたのは私なのに、長谷さんも一緒になって振り返る。
外出帰りなのか、スーツの上着を手にぶら下げて、軽くネクタイを緩めながらこっちに近付いて来るのは、同期入社の市川君だった。
「いや~、今日、外、蕩けそうなくらい暑いぞ~」
そう言って屈託のない笑みを浮かべながら、市川君は長谷さんを丸無視して私の前に立つ。
そして、
「おっと、もう昼の時間だ。青木、約束ないなら、メシ行こうぜ、メシ」
当たり前のように強引に、私の腕をグッと掴んだ。
それを見て、長谷さんが憤慨して鼻息荒く市川君を睨んだ。
「市川、青木さんは俺が……」
「あ、長谷さん、お疲れ様です。って、何? 青木、長谷さんと約束してた?」
小首を傾げてそう聞かれて、私は反射的にブンブンと首を横に振った。
「あ、あの、長谷さん。お礼とか、ほんと気にしないで下さい。それじゃ」
私の返事を聞いて、市川君はニヤッと笑うとそのまま私の腕を強く引っ張る。
「あ、おい!」
その場に長谷さんを一人置いてけぼりにして、私は市川君と逃げるようにランチに繰り出した。