指先からはじまるSweet Magic
まん丸の瞳を向けられて一気に恥ずかしくなって、私はカアッと頬を赤らめて俯いた。
香織は、はは~ん、と意味深な笑い方をしてみせた。


「圭斗君に、なんかされた?」


どストレートに繰り出される質問に、ドッキーンと胸が騒ぐ。
自分でも大人の女としては素直すぎる反応だと思った。


「……ちょっと、マジで!? 何されたの? まさか……」


香織は一気に勢い付いて、ズズッと私の方に乗り出して来る。
その想像が私の意図以上にぶっ飛んでるのを感じて、私は慌てて小刻みに首を横に振った。


「ち、違う! ……えっと、されたのは、キス……だけど……」


店内が空いているせいで、ちょっと気を抜いて声を上げると割と店内に響いてしまう。
さっきから、他のOL達の会話が時々漏れ聞こえていたから、私は香織の反応にも慌てる。


どれだけ小声にしたら他のお客さんに聞かれずに済むだろう、とビクビクしながら、私は消え入りそうな声で呟いた。


途端に、香織がひゅ~っと甲高い口笛を吹いた。
二組のOL達がチラッとこっちに視線を向けたのを感じて、私はしどろもどろになってしまう。


「やるじゃん、圭斗君!」

「香織っ! なんで圭斗を称賛するのよっ」


反論しながら、照れ隠しにサングリアをグッと飲み干した。
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