指先からはじまるSweet Magic
そのままムッと尖らせた唇に。


「……っ……!」


圭斗が、そっと、小さなキスを落とす。
完全に虚をつかれて目を丸くした私に微笑みかけてから、圭斗は、今度はゆっくりと唇を重ね合わせた。


お互いの反応を探るように確認しながら、何度か触れ合わせる角度を変えて、薄く開いた唇から忍び込んで来る舌に翻弄される。


甘くて深いキスを繰り返した後、離れて行く圭斗の唇を私は蕩けてしまった気分でぼんやりと見つめた。


「……やっぱ、エロ」


ふっと口元に浮かぶ笑み。


「なっ……」


私の反論は、全く迫力なく声にもならない。


だって、自分でも痛いくらい自覚している。
離れる圭斗の唇に、私は確かに、もっと、って思ってた。
そして、何を言っても私の全部を見透かしてる圭斗の前で、私はただ無防備になるしかない。


「……でも、『まだ早い』から、今日はここまで」


圭斗は嫌って程漂わせた妖しさを全部押し隠した。
そして邪気のない爽やかな笑みを浮かべると、私から手を離してスクッと立ち上がった。


「えっ!?」


あんなキスしておいて……あまりに残酷な放置。
私の方が目を剥いて、反射的に抗議の声を上げた。
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