アサガオを君へ
少し小さくて骨ばった手は、ひんやりと冷たい。


私はその手の中に、小さなポーチを握らせた。


「薬。忘れてる」


「あぁ…」


毎日決まった量の薬を飲まなくちゃいけない。


私はベッドにお茶を投げて、夏樹の横に座った。


隣に座る私を夏樹はじっとを見つめた。


私も見つめる。


何でだろう。


ただ隣にいれて、目があうだけなのに。


こんなに涙が出そうになるのかな?


グッと目の奥に力を入れないと、こぼれてしまいそうになる。


何で?


本当に。


愛しくて仕方ない。
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