アサガオを君へ
私が口を開こうとした時、保健室の窓が開いたのがわかった。


私はカーテンから顔を出す。


するとヨウチンが少しだけ息を切らして、そこにいた。


首をかしげると、ヨウチンは相変わらず無表情で、顔の前に手を合わせた。


「ココ、お願い。リレー、走ってよ」


もしも、私が夏樹で。


夏樹が私なら。


どうするのかな。


夏樹は私についてくるのかな。


それとも、私がついてきてって頼むのかな。


私は、どうするのかな。


夏樹に何を求めるのかな。


私は…私は…。


何を夏樹にしてあげたいのかな。
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