アサガオを君へ
私は夏樹を振り返った。


ジッと交わる視線は、心なしか。


とても強く前に押し出されているような気がした。


ギュッと強く下唇を噛み締めてから、私はカーテンの中から出た。


「うん。いいよ。そっち行くね」


保健室を出るときにチラッと見たカーテンは。


私の出た隙間だけがあいていた。
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