女子高生の私と不機嫌な若頭
涼介さんは私に気がつくと
いつもの優しい顔で私を見る
涼介さん……
今にも泣きそうだった
『助けて…』
そう言いたかった
その言葉が出そうになる
けど……飲み込んだ
言ったら大変なことになる
言えない……そんなこと。
俊太郎さんは私を乱暴に引き寄せ
ソファに座らせられた
真っ直ぐ見てくる涼介さん
だめ……見ないで……
我慢している涙が溢れそうだ
「……で、岸谷さん。今日は何のご用ですか?まさか、杏奈を返せなんていいませんよね?」
俊太郎さんは……わざと言っている
「……そのつもりだけど?」
なんのためらいもなく言う涼介さん