闇夜に咲く華 -舞狐録-
そして皆のいる部屋の前。
「月狐はん、いきますえ…」
「う、うん」
そして舞桜ちゃんが襖を開けた。
皆が襖に注目する。
「失礼しやす。抜けてもうてすんまへん。改めて太夫の舞桜と…」
「新人の誠です」
「「よろしゅう」」
そう言って頭を下げた。
見よう見まねだった。
「おい。そこの新人。酌をしろ」
そして中に入ると土方に呼ばれた。
言い方が少々苛ついたが我慢して答える
「はい。わかりました(ニコ)」
我ながら完璧な作り笑いだ。
そして私は土方に仕方なく仕方なく酌をしてあげた。仕方なくね。
「お前は飲まねぇのか?」
「飲みません」
即答だった。お酒は飲んだことないから。
「俺が酌をしてやるから飲めよ」
何故そんなに酒を進める。クソ方よ。
我にはわからん。
「分かりました」
段々、うざくなってきたので仕方なく分かりましたと答えた。
嗚呼、舞桜ちゃんはこんなのを毎日してるんだ。
気の毒に。
そして私は目の前にある酒をとりグビッと一気のみした
「んぁ……」
喉が熱い。クラクラスル…
そして私は思わず土方の方に倒れてしまった。
「何だよ。誘ってるのか?」
変態。と殴り飛ばしたいところだが、視界がクラクラして殴り飛ばすことができず、土方に身を預けたままだった。
そんな黙ったままの私を見て"ふぅん"とクソ方は意味ありげに妖艶に微笑んで私の手を引いて立ち上がった。
お酒の力で抵抗ができない…
「土方さん、相変わらず手を出すのが早いですねぇ」
部屋に出る前に沖田が言う。どうかどうか沖田よ…いや、総司よ…
私を助けてー
そんな私の願いは惜しくも叶わずクソ方に空き部屋へと連れていかれた。