坂道では自転車を降りて
「うん。そうする。」
彼女は新しいティッシュを山のようにとり、ポケットに詰め込もうとしたが、右手を傷口から離すと、傷口のティッシュが落ちた。
「あうーっ」
俺はティッシュの箱を持って立ち上がった。
「一緒に行くよ。」
「えっ。。。。ありがとう。助かる。」
すこし意外な様子で、しかし、素直に受けてくれた。慣れた様子で左手を心臓より高く持ち上げ、右手で傷口を押さえ、彼女は俺など目にもくれずにスタスタと歩いて行った。慌てて先導する。
「ドジった。」
前を向いたまま悔しそうにいう。両手を塞がれて、搔き上げることのできなくなった髪が、乱れて頬にかかるのが気になるのか、顔を振りながら歩く。
「何してたの?」
「鏡、修理してたんだけど、割れてるところにうっかり手をひっかけちゃって。スパッと。」
聞いただけで寒気がする。自分の手から力が抜けるようだった。
昼休みの廊下は混雑していて、俺は先に立って、彼女が他人と接触しないように先導した。他は、結局とくに出番もないまま保健室についた。
彼女は新しいティッシュを山のようにとり、ポケットに詰め込もうとしたが、右手を傷口から離すと、傷口のティッシュが落ちた。
「あうーっ」
俺はティッシュの箱を持って立ち上がった。
「一緒に行くよ。」
「えっ。。。。ありがとう。助かる。」
すこし意外な様子で、しかし、素直に受けてくれた。慣れた様子で左手を心臓より高く持ち上げ、右手で傷口を押さえ、彼女は俺など目にもくれずにスタスタと歩いて行った。慌てて先導する。
「ドジった。」
前を向いたまま悔しそうにいう。両手を塞がれて、搔き上げることのできなくなった髪が、乱れて頬にかかるのが気になるのか、顔を振りながら歩く。
「何してたの?」
「鏡、修理してたんだけど、割れてるところにうっかり手をひっかけちゃって。スパッと。」
聞いただけで寒気がする。自分の手から力が抜けるようだった。
昼休みの廊下は混雑していて、俺は先に立って、彼女が他人と接触しないように先導した。他は、結局とくに出番もないまま保健室についた。