坂道では自転車を降りて
今日も弁当を食べながら本を書いていると、また倉庫から歌が聞こえ始めた。鼻歌や独り言は、無意識なのかな。
Why なぜだろう?
誰かを救えるはずの力で
誰もがまた争う
あれ、なんかこの曲、俺も知ってるけど、なんだっけ。すごく懐かしい。
Can you do it? 何度でも
Can you carry out? はじめよう
「ったあぁ。」
歌は途中でちいさな悲鳴に変わった。何事かと思って顔を上げると、すぐに、彼女が部室の方へやってきた。
「ティッシュ。ティッシュ、箱ごと。」
見ると、手から血を流している。深く切れたのか、かなりの量だった。ティッシュを探して箱ごと渡してやると器用に止血し始めた。どうやらキレたのは左手らしい。痛みがあるのか、顔をしかめている。
「っ。。あぅーっ。イターい。」
「保健室行った方が良いんじゃないか?」
何か手伝おうとは思ったが、大量の血のついたティッシュを見ていたら俺の方が貧血になりそうだった。