坂道では自転車を降りて
やばい、傷つけたか?
いや、こんなことで傷つくほど柔な子じゃないはずだ。正論を躊躇なく口にしてしまう。その発言の厳しさから、役者連中の中にはすごく怖い女子だと思っているやつもいる。陰で鉄の女とか武則天とか言われていた。実際のところ、俺もそうじゃないかと思ってる。単に、人見知りで他人に頼る事に慣れてないのだろう。
お互い無言のまま、右手でぞうきんを洗った彼女は、俺のほうに向き直った。ぞうきんをしぼってやる。
「もうちょっと、素直に頼ってもらえないかな。争わないで、助け合うんだろ。同じ宇宙に生まれたから。」
「??」
「さっきの歌、ウルトラマン。」
「あぁ。そうだね。」
少しホッとした顔で、やっと笑顔がのぞいた。
「好きなの?」
「まあ、ね。」
「俺も好きだよ。ずっと見てた。」
無意識にぞうきんで自分の手の水を拭き取り、ぞうきんを手渡そうとして気づいた。彼女の右手は水がついたままだった。
いや、こんなことで傷つくほど柔な子じゃないはずだ。正論を躊躇なく口にしてしまう。その発言の厳しさから、役者連中の中にはすごく怖い女子だと思っているやつもいる。陰で鉄の女とか武則天とか言われていた。実際のところ、俺もそうじゃないかと思ってる。単に、人見知りで他人に頼る事に慣れてないのだろう。
お互い無言のまま、右手でぞうきんを洗った彼女は、俺のほうに向き直った。ぞうきんをしぼってやる。
「もうちょっと、素直に頼ってもらえないかな。争わないで、助け合うんだろ。同じ宇宙に生まれたから。」
「??」
「さっきの歌、ウルトラマン。」
「あぁ。そうだね。」
少しホッとした顔で、やっと笑顔がのぞいた。
「好きなの?」
「まあ、ね。」
「俺も好きだよ。ずっと見てた。」
無意識にぞうきんで自分の手の水を拭き取り、ぞうきんを手渡そうとして気づいた。彼女の右手は水がついたままだった。