坂道では自転車を降りて
「多恵。」
ひとつ、彼女に話さなければいけないことがある。
「なあに?」
「あのね、俺の脚本というか、演劇部のことなんだけどさ。」
「うん。」
「俺は、来年の演劇部が既成の本をやっても良いと思ってるんだ。」
「。。。。」
彼女の顔に驚きの表情が浮かぶ。
「俺が脚本を書いていたのは、俺が書きたかったからで、自前で本を書いた方が部として上と言うか、活動が活発だとか、そうは思ってないんだ。」
「そうなの?」
「既成の、もっと完成度の高い台本を、きっちり演りたい役者だっているだろう。帝劇では今でもチェーホフとかやってるじゃん。宝塚だって、脚本よりは舞台の美しさで売ってる。風刺の効いた現代舞台もあれば、ダンスに特化した舞台を作ってる劇団だってあるだろ。古典を上演するのに意味が無いと思う?」
「。。。。。。。」
「時代と言うか、その時の部の方針は、その時のメンバーが決めたら良いと思ってるんだ。俺は自分の本をやってみたかった。君がそれに興味を持って部の議題に押し上げてくれた時は、同志を得たみたいで本当に嬉しかった。でも、ただそれだけなんだ。だから、生駒さん達の代にそれを無理矢理引き継がせるつもりは全然ないんだ。」
「だったら、今書いてる本は書かなくても良かったって事?」
「これは、俺が書きたくなったから書いてるんだ。俺達の最後の公演だし、君の言うように俺の本で気持ちを動かされて入部する子がいるとしたら、やっぱりすごく嬉しいから。」
「そう。。。」
ひとつ、彼女に話さなければいけないことがある。
「なあに?」
「あのね、俺の脚本というか、演劇部のことなんだけどさ。」
「うん。」
「俺は、来年の演劇部が既成の本をやっても良いと思ってるんだ。」
「。。。。」
彼女の顔に驚きの表情が浮かぶ。
「俺が脚本を書いていたのは、俺が書きたかったからで、自前で本を書いた方が部として上と言うか、活動が活発だとか、そうは思ってないんだ。」
「そうなの?」
「既成の、もっと完成度の高い台本を、きっちり演りたい役者だっているだろう。帝劇では今でもチェーホフとかやってるじゃん。宝塚だって、脚本よりは舞台の美しさで売ってる。風刺の効いた現代舞台もあれば、ダンスに特化した舞台を作ってる劇団だってあるだろ。古典を上演するのに意味が無いと思う?」
「。。。。。。。」
「時代と言うか、その時の部の方針は、その時のメンバーが決めたら良いと思ってるんだ。俺は自分の本をやってみたかった。君がそれに興味を持って部の議題に押し上げてくれた時は、同志を得たみたいで本当に嬉しかった。でも、ただそれだけなんだ。だから、生駒さん達の代にそれを無理矢理引き継がせるつもりは全然ないんだ。」
「だったら、今書いてる本は書かなくても良かったって事?」
「これは、俺が書きたくなったから書いてるんだ。俺達の最後の公演だし、君の言うように俺の本で気持ちを動かされて入部する子がいるとしたら、やっぱりすごく嬉しいから。」
「そう。。。」