坂道では自転車を降りて
「もう休憩すんだよね?私、帰っていい?」
「夕方、来てくれるんだよね。」
手を離してやると彼女は後ずさって距離を作った。
「ちゃんと本書いてね。」
そう言うと、走り去ってしまった。一度くらい振り返るかと思ってたのに一度も振り返らなかった。でも夕方また会えるんだ。

 午後は、、イマイチ捗らなかった。気を緩めると、彼女の事ばかり考えてしまう。でも、夕方にはそれなりに読めるようにはなった。怒られやしないかと、びくびくしながら公園へ出向く。
 声をかけると彼女ははにかむような笑顔を見せた。俺から手を繋ぐと、俺の手を両手で掴んだ。震えている。

「昼もそうだったけど、どうしたの?まだ、そんなにドキドキするの?」
「なんだろ。やっぱり緊張してたのかも。こんな無茶をさせて、怒ってないかなとか、嫌われちゃうかもって、心配だったから。会いたいって言われたら、なんかすごくほっとして。それに完全に部活モードだったからかな。急に言われたら、すごくドキドキして。」
「確かにねぇ。なんとか書けそうではあるけど、俺の土日が。」
「ごめん。やっぱり、怒ってるよね。」
またシュンとする。いちいち反応するから面白い。

「さて、どうしようかな。」
本当に、どうしてくれよう。何か困らせてやりたい。
「どうって?。。。。」
「何して貰おっかなぁ。ねぇ。」
「えー。こんだけ尽くしたのに?まだ、なんかしなきゃダメ?」
「それは、俺の為じゃなくて部のためでしょ?」
「だったら本書くのだって、部のためでしょ?」
ベンチがあったので腰掛ける。ちょっと寒いけど、月がキレイだ。
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