坂道では自転車を降りて
どうして、こんなに憎たらしい事ができるのか。彼女は何を考えているんだろう。彼女こそサディストなんじゃないだろうか。
ふと疑問が湧いた。これが、さっきまで手を繋いだだけで震えていた彼女なのか?終業式の日に目に涙を溜めて、怖いと言った彼女と同一人物なのか?続きは次回って、続きができるなら、あの時、泣いたりしないだろ。
「ねえ、多恵。」
俺は彼女の腕を掴み引き寄せ、隣に座らせた。
「なあに。」
今度は怯えたように震える。片手で身体ごと腕を掴んで動けないようにして、彼女のジャンバーのチャックを開けた。ブラウスのボタンを閉め直す間はなかったはずだ。案の定、白い肌が覗く。
「やっ。ちょっと。」
「続き、今、してもいい?」
彼女の顔が引きつる。
「それは、また今度って。」
「そんな風に挑発したら、今度、俺が何するか分かってる?」
「。。。。。」
バカだな。無理して。墓穴掘って。
「分かってないだろ。」
「ちゃんとわかってるよ。神井くんなら、いいもん。」
震えながらそんな顔されたら、また苛めたくなるじゃん。でも。。。。俺は彼女の上着の前を閉めて、優しく抱きしめた。