坂道では自転車を降りて
「やあ。」
「やあ。神井くん。ここで書いてたんだ。」
気さくな会話と裏腹に、彼女も俺の方を見ない。なんとなく、変な距離が出来ていた。軍手を外して引き出しを開けると、ノートと鉛筆を取り出し、メモをとる。
「4x4があれ、何本だっけ?」
「5本だろ。」
「そうそう、5本。」ペロリと舌を出しながら、書き込む。
「聞こえるんだ。あっちの音」
彼女はノートから顔をあげない。相手に視線をむけずに会話するのは、俺が怖いからというよりは、誰にでもそうなのだと、最近分かった。俺もなるべく視線を向けないように会話を続ける。なんか疲れるな。
「聞こえるよ。蜘蛛でたんだ。在庫管理?」
「ごめんね。うるさかった?」
「別に、気にならないよ。」
「でも、進んでないでしょ。」
いたずらっぽい笑顔で、初めてこちらに視線を向けた。
「わかるの?」
「だって5本って(笑)、ちゃんと進んでたら答えられないと思う。」
「やあ。神井くん。ここで書いてたんだ。」
気さくな会話と裏腹に、彼女も俺の方を見ない。なんとなく、変な距離が出来ていた。軍手を外して引き出しを開けると、ノートと鉛筆を取り出し、メモをとる。
「4x4があれ、何本だっけ?」
「5本だろ。」
「そうそう、5本。」ペロリと舌を出しながら、書き込む。
「聞こえるんだ。あっちの音」
彼女はノートから顔をあげない。相手に視線をむけずに会話するのは、俺が怖いからというよりは、誰にでもそうなのだと、最近分かった。俺もなるべく視線を向けないように会話を続ける。なんか疲れるな。
「聞こえるよ。蜘蛛でたんだ。在庫管理?」
「ごめんね。うるさかった?」
「別に、気にならないよ。」
「でも、進んでないでしょ。」
いたずらっぽい笑顔で、初めてこちらに視線を向けた。
「わかるの?」
「だって5本って(笑)、ちゃんと進んでたら答えられないと思う。」