坂道では自転車を降りて

「ジョーはあんたを振り回したくないんだって。」
夕べ、北村さんは言った。
「そんなこと。そりゃあ、振り回されてない訳じゃないけど、学校サボったりするからだろ。そもそもなんで学校サボったんだよ。」
「あんたに会うのが怖かったんじゃないの。会うとまた問いつめられるから。」
「。。。。。」
「やっぱりあんたが悪い。」

「でも電話した時には一緒に帰れるって言ったんだ。元気そうだったんだ。なのに突然、一緒に帰れなくなったって言って、今日は友達に戻るとか言い出して。」
「昨日一緒に帰れなくなったのは、電車で痴漢にあったからみたいよ。」
「痴漢?また?」
「あんたには言うなって言われたんだけど、電車で居眠りしちゃったんだって。そしたら、知らない男に身体を触られてたみたいで。ショックで家に真っ直ぐ帰ったらしいよ。空いてる電車で寝るなんて、何されてもおかしくないのに。。。ジョーは本当にトロいんだから、学校サボって街に出たりしたら、何があってもおかしくないのよ。ジョーに何かあったら、あんたのせいだからね。今回は大したことなかったみたいで本当に良かったわよ。」
 電車で寝るのがそんなに危ない事だとは、俺も知らなかった。混んでる電車ならともかく、昼の空いた電車だろ。ちょっと寝たくらいでそんなことになるのか?ここは日本なのに。

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