坂道では自転車を降りて
「こんな可愛い彼女を、そんな簡単に手放したりできるわけないだろ。君が別れたくたって、絶対、別れてなんかやらない。」
そう告げて、またくすぐる。
「あくぅっ、くるしっい、い。いやっ。ごめっんなっさぁあいっ。」
彼女は泣きながら暴れたけど、俺は容赦しなかった。ひとしきりくすぐって、息も絶え絶えになった彼女を、捕まえたまま、また抱き締めた。
「もう、やめて。ひどい。」
「ダメだ。許さない。もう逃げないって約束しろ。」
「でも。」
「もっとくすぐって欲しいのか?」
「ごめんなさい。。。。もう逃げ。。ません?」
「もう逃げません。ちゃんと言って。」
「もう逃げません。」
「意味分かってるか?」
「多分。。」
これで良かったんだろうか。良くわからないけど、とりあえず、彼女は俺の手元に戻って来た。
「多恵、今日の午後の予定は?」
「。。。。。?」
「多恵。」
また脇をつつく。
「き・今日は、とくに何も。自宅で勉強。」
「だったら午後は俺の部屋で勉強だ。」
「・・・」
「来なさい。」
「でも。」
「プールは、いつだっけ?」
「は?」
「みんなでプールは、いつ行くの?」
「私は。。。」
「誘われてるんだろ?」
「でも断ったよ。」
「場所と時間、誰かに聞いといて。それから、俺も行くって言っといて。もちろん君も行くんだ。」
「なんで?」
「いいから行くの。」
「。。。。」