坂道では自転車を降りて
「多恵は?どうだった?」
「うん。もう大丈夫。」
「いや、えっと、その、なんだ。さっき、君が寝る前の話なんだけど。。。。ごめん。あの、やりすぎだったのは、分かってるんだ。だけど、中途半端なのも辛いかと思って。」
彼女は目をぱちくりさせて俺を見た。しだいに顔が紅くなる。
「きっ今日は、まだ加減がわからなくて。。その、少しは気持ちよかった?多恵も満足した?」
彼女は曖昧に笑うと、恥ずかしそうに俯いてしまった。どうだったんだろう。俺は、できれば嬉しかったとか、気持ちよかったとか、言って欲しい。実際すごく感じてたのは間違いないと思うし、何度もイッたようにみえた。それともやっぱり怒っているんだろうか。泣きながらもう許してと何度も言ったのに、止められなかった。
「ごめん。」無意識に言っていた。
「ううん。いいの。気持ちよかったよ。満足。本当に。」
彼女はそっと抱きついて来た。冷房が少し寒いような気がして、俺がタオルケットをかけてやると、彼女は「神井くんが好き。ありがとう。」と言った。
そのとき俺は気付いた。多分、俺が彼女に何をしても、何をさせても、彼女は嫌と言えないんだ。俺が好きだから。
「お布団。神井くんの匂いがするね。」
しばらくすると彼女が言った。俺ってどんな匂いがするんだろう。変な匂いしてないかな。
「いい匂い。安心する。」
俺がいい匂いな訳ないのに。安心するとか言われたら、照れくさくてどうしたらいいか分からなくなる。本当に可愛い。大げさではなく食べてしまいたい程に。このまま並んで眠ってしまいたい衝動に負けそうになる。