坂道では自転車を降りて
6組の劇が終わってしまえば、俺の文化祭はほぼ終わりだ。あとは多恵と待ち合わせて後夜祭を眺めて帰るだけだ。どこか見忘れた所がないかプログラムを眺めていると、彼女が技術室へやってきた。俺達の劇に関してひとしきり感想を述べて、飯塚と盛り上がったあと、俺をみて、何か言いたそうな顔をした。
「どうした?今日の予定はもう全部終わったの?」
「うん。。。いや、まだ。」
「何?何か俺に用?」
「あの、、写真部。一緒に行ってくれない?」
「写真部?」
飯塚は一度見たからと言って、別の企画を見に行った。2人で歩きながら話す。
「神井くん一度見たのに、ごめんね。ちょっと、一人で行くの、勇気が要ったから。」
「あぁ。」
「今西くんに、謝りたくて。」
「は?」
「一学期末のこと。私が悪かったのに、なんか、今西君が悪いことしたみたいになってしまって。」
これは、どういう意味だろう。結局、俺はあの日、何があったのか本当のことは聞いていない。だが、この口ぶりからして、彼女は俺が全て知っていると思っているらしい。俺と並んで歩く彼女の横顔は、少し緊張した面持ちで、何やら決意めいたものを感じる。