坂道では自転車を降りて
「それに。」
「ん?」
「それは反対も言えるよね。神井くんと付き合う事が私にとってマイナスだと思ったら、私は神井くんと別れるべきだよね?」
「そうだね。」
建前はそうだろう。だからあの日、君は俺から離れようとしたんだろ?でも、俺は駄々を捏ねて、追いかけて、追いかけて、取り戻した。それについては君はどう思っているの?俺は君を追いかけるべきじゃなかったということ?
「だから、そうならないように、2人で切磋琢磨と言うか、お互いを高め合えるような、一緒に成長できる間柄でいたいし、いて欲しいよ。そうだよね。神井くん。」
俺を見て笑顔を見せる。上手い事纏めたつもりでいるんだろう。
「それは、そうだけど。」
「大野さんは相変わらず真面目というか、ホント優等生なんだな。神井も大変だ。」
なんか、、釈然としない。だが、何がどう変なのか、上手く整理できない。俺が考えている間も原と彼女の会話は流れて行く。
「神井くんにとって一番大事なのは、神井くん自身の生きる姿勢でしょ?やりたい事を追いかけて、言いたい事を表現して、自分の考えを貫いて。私、そういう神井くんが好き。」
「ほぉ。」
「原くんは?神井くんのどこが好きなの?」
「男同士で好きって言い方はどうかと思うけど、、そうだね。神井のタフな所が羨ましいと思うよ。ってか、大野さん、ちゃんと神井のどこが好きなのか言えるじゃん。」
「あれ?そうだね。」
「でもまあ、神井の取り柄はそこだけだもんな。」
「いいだろ。なんか問題あるか?」