君色ドラマチック
結城の、横で……。
いまいちぴんとこない私に、結城は真剣な顔で向き合う。
「これを着て、俺と結婚式挙げよう」
「え……」
「結婚、しよう。慧」
結婚……。
「嘘だ!!」
結婚なんて。
別れたはずなのに、プロポーズなんて。
「ウソじゃないって。サプライズプレゼントにするつもりだったんだ。他の人とも仕事をしろって言ったのは、もし妊娠や子育てで家にいるようになったら、フリーのパタンナーとして今よりペースを落として仕事する方が、楽かなって思ったから」
サプライズ。だから私に秘密にしていたんだ。
それに、プロポーズもしていないのに、妊娠したときのことまで考えていたなんて。
勝手に疑いまくって勝手に落ち込んでた私の日々はなんだったの。
ううん、いったいこの世の誰が、愛する人がこんなに素敵なドレスを自分の手で縫ってくれると予想する?
あの日、ミーティングルームの前で盗み聞きしてしまった会話を思い出すと、ぼろぼろと勝手に涙が溢れだした。