君色ドラマチック
「っざけんじゃねーぞ!人を振り回すのもいい加減にしろっ!」
久しぶりに会って、会社近くのカフェですべての話を聞き終えた櫻井さんは、手土産の栗ようかんを結城に投げつけて激怒した。
そりゃあそうだ。
せっかく専属パタンナーが見つかったと、あてにしてもらっていたのに……土壇場で断るなんて。申し訳ない。
「すみません。専属ではないにしても、協力はさせてください」
「当たり前だ!」
結局、人事部に出してしまった退職届は今さら撤回できるわけもなく、私はフリーのパタンナーとして出直すことに決めた。
と言っても結局、結城からの仕事を請ければ、今の会社から報酬をもらうことになる。
ややこしい事態だけど、仕方ない。
「櫻井さん、式には出てくれます?招待状送ってもいいですか?」
投げられたようかんを余裕でキャッチした結城は、しまりのない顔で櫻井さんに笑いかける。
そんなこと聞いたら、逆鱗に触れるだけなのに……とハラハラしていたら、案の定櫻井さんは結城の頭をげんこつで殴った。