君色ドラマチック
「だって、最初が『結城くん』だったからなあ」
「でもお前だってそのうち、『結城さん』になるんだから」
あ、そうか。
私は杉原慧から結城慧になるわけか。
なんか、宝塚の男役みたいな名前……。
「わかった。玲音ね。玲音」
やけくそになって呼ぶと、玲音は満足そうに微笑む。
そして私の指に指をからませ、恋人つなぎにすると、家までの道を歩きだした。
見上げた空は澄んだ青。
あの日私に色を与えた、結城のドレスと同じ色。
きっとこれからも、数えきれないほどの色たちが、私たちの世界を彩っていくことだろう。
「ねえ、玲音」
「どうした?」
「私ね、今までの人生で一番、明日が楽しみだよ」
彼が嬉しそうに微笑む。
私もつられて嬉しくなって、彼の手をぎゅっと握りかえした。
見えない未来を怖がってばかりいた私はもういない。
少しは不安になることだってあるけど、それでもしっかり目を開いて前を見ていこう。
きっとこの愛情に溢れた日々は、とってもドラマチックになっていくはずだから。
【end】


