君色ドラマチック


光沢があり、慶事用の切手が貼ってある。

それが何色かはわからないけど、おそらく結婚式の招待状だろうということはわかる。

もう3度くらいもらったことがあるから。

差出人を見ると、専門学校時代の友人だった。

たしか、アパレル販売員になってから、その会社の企画部に移ったはず……。

中身を見る前にそれを汚れないようにテーブルの端に放って、割り箸を割った。

テレビをつけると、くだらないお笑い番組がやっている。

芸人がプロポーズするまでを、彼女に内緒で隠し撮りしているらしい。


「バカみたい。どうせやらせに決まってる」


肝心のプロポーズまでいたらず、楽しそうにデートをしている場面で、健康番組にチャンネルを変えた。

結婚なんて……家庭を守りながら仕事もするなんて、不器用な私にはムリだもの。

もし子供なんてできたら、今のペースでは働けなくなる。

そんなの嫌だ。服を作らない私なんて、私じゃない。

まとわりつく不安感を振り払うように、一心にからあげ弁当をほおばる。

すると、テレビがコマーシャルに変わり、結婚情報誌のCMが流れた。


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