君色ドラマチック
「やだあ、ひどい顔。どうしたのよ」
「あ、課長。おはようございます」
翌朝出社すると、エレベーターで課長に出くわした。
課長はすごい。いつでも肌が綺麗で、クマができているところなんて見たことない。
女子力の高いオネエだ……。
「例の櫻井の仕事、やっぱり大変なんじゃない?他の子に回すよう頼もうか?」
「いえ、大丈夫です」
櫻井さんのデザインのパターンをひくことより、ご本人の人格が大変なんです。
とは、言えない。
「そう。じゃあ、引き受けたからには必ず納期に間に合わせるのよ」
課長は口では厳しいことを言うけれど、優しい視線で私に微笑みかける。
私も力なく微笑み返した。
さっさと終わらせて、早くあの宇宙人……櫻井さんとの縁を切りたい。
いつものデスクに座ると、早速パソコンを立ち上げる。
ブルーライトカット用のメガネをかけ、櫻井さんのデザイン画と指示書をバッグから取りだす。
うん、デザイナーは嫌いだけど、この服は嫌いじゃない。
私は一心不乱にCADの画面に向かう。