君色ドラマチック
結城も学生のころはその金髪や奇抜なファッションで、よく好奇の目を向けられていたっけ。
今は一緒に街を歩くことも少なくなって、彼が一般の人にどう見られているのか、よく知らない。
楽しかったなあ。卒業制作のドレスの生地を探しに、一緒に日暮里の街を歩いたっけ。
色々な手触りの生地や、キラキラしたビーズに埋もれていた日々が懐かしい。
「あ……」
とあるショーウインドーに、ウエディングドレスが飾られている。
目を引かれて立ち止まると、櫻井さんも立ち止まった。
「なんだ、ドレスを着る予定でもあるのか?」
「違います。すそのところのパターンが気になって」
風船みたいに膨らんだすその内側が気になる……。
じっと観察していると、櫻井さんが笑った。
「仕事熱心でけっこう。好きなだけ見ていけ」
そう言って腕組みをすると、一緒にそれを見上げる。
そんな私たちを見て、どこかから『いいわね、素敵な二人』と声がした。
まさか、結婚を控えたカップルと間違えられてる?冗談じゃない。
ぞくりと寒気がして、思わず声のした方を振り返る。
「え……」
大声を出しそうになり、慌てて口をふさいだ。
地下鉄の駅に向かう通りを、結城によく似た後姿が歩いていくのが見えたから。
その横には、女の人がいた。
カーディガンとフレアスカートを着た、髪の長い女の人。
どくん、と心臓が大きく揺れる。