君色ドラマチック


「そんなにうつむくなよ。顔上げてな。せっかくの美人がだいなしだ」


とんとんと目の前のテーブルを指でたたかれ、ハッと顔を上げる。

目の前には、心配そうな櫻井さんの顔が。


「まったく、俺といるのに他の男のことを考えるなんて、お前が初めてだよ」


何その自信満々セリフ。


「いえ、そんなこと」

「お前、わかりやすすぎ。やぱり結城とつきあってるんだろ。さっきから死人のようなひどい顔をしてる」


死人のようなって……。

力なく首を横に振ると、櫻井さんは呆れたようにため息をつく。

そして彼が勝手にオーダーしたシャンパンが運ばれてきた。


「そんなに心配するなよ。あれは、仕事相手だ」


あれって、結城と一緒にいた女の人のこと?


「この続きは、前菜を食べたらしてやるよ」


櫻井さんがそう言うので、私は仕方なく運ばれてきた前菜に手をつける。

円形に固められたアボカドクリームの上に甘エビとカニとキャビアが乗っているらしい。

ウエイターが説明してくれなければ、私が見ただけでは何が使われているかわからないけど、きっと普通の人から見ればとても綺麗に見えるんだろうなという外見だった。


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