君色ドラマチック
「う……っ」
ひどい頭痛がする。どうしてだろう。
まぶたを透過してくる光が明るい。
朝だ。会社に行かなくちゃ……。
のっそりと重い体を起こすと、すぐに違和感を感じた。
裸の胸に、長い髪がたゆたい、落ちる。
私、寝るときはちゃんとパジャマを着用する派なんだけど……。
ごしごしと目をこすり、辺りを見回す。
するとそこは、茶と黒の家具で統一された、白い壁のオシャレな一室だった。
もちろん、見たことはない。
そして気づく。自分がいるのも、全く知らない香りのする、ベッドの上だと。
「えっ、ええっ!?」
っていうか、ここ、どこ!?
そして私はどうして裸で……。
昨夜のことを必死で思い出す。
たしか、櫻井さんにお高いフレンチを御馳走になって、その間の話題でモヤモヤしすぎて、ワインをたくさん飲んで……。
たしか、メインはキジのローストだった。
そんな余分なことは覚えているのに、その後の記憶があやふやで、はっきりと思いだせない。
さあっと全身から血の気が引いていく。
まさか私、泥酔して櫻井さんにお持ち帰りされちゃったんじゃあ……。