君色ドラマチック


ゆっくりベッドから降りると、ヘッドボードに下着が置かれていた。

どうやら、昨夜洗って乾燥までしてくれたみたい。

それを身につけ、用意された服を着る。

横にあった姿見を見ると、そこにはいつもの自分とは完全に別人が。


「あら、清楚に見える……」


爽やかな自分を見ていると、気分まで爽やかになっていくよう。

って、こうしてはいられない。

きっと、シャワーだけでは落ち切らなかったのであろう昨日のメイクが、顔の上でガビガビになっている。

コンビニに寄って買い物をして、メイクをなおさなくちゃ。


「櫻井さん、ありがとうございました!私、もう行きます!」

「おお、そうか。もう少し待てるなら、車で送るけど」


そんなことしたら、一緒に出社することになってしまうじゃない。

それは遠慮しよう。こんなひどい顔じゃ、課長に何言われるかわからないし。


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