ドリーミィ✡ マジカリア
ゆっくりとドアを開けると、ギシッと少しドアが軋む。
「……失礼しまーす…」
ドアを開けるとやはり誰もいなかった。
ベッドは全部空っぽだったので、右側の一番奥のベッドを使わせてもらう事にした。
ベッドに横になるとこのベッドもギシギシと音を立てた。
校舎は綺麗だが、かなり歴史のある学校らしい。
教室や机も年季が入っているが、それでも綺麗に清掃されている。
保健室の外でバタバタと足音が聞こえた。
保健の先生だろうか。
それなら丁度良い。
事情を話して一時間位寝かせてもらおう。
すると、保健室のドアが軋みながら開いた。
苺花は体を起こしてベッドのカーテンから少し覗いてみた。
だが、苺花の予想は外れていた。
そこにいたのは、保健の先生なんかではなく、
1人の、女の子だった。
胸の辺りまで伸びた 目が覚めるような明るいオレンジ色の髪はハーフツインに結ってある。
少し茶色がかった髪と同じオレンジ色の瞳。
華奢な体に良く似合う雅桜中のセーラー服のスカーフは緑色だ。
雅桜中の学年色は 赤が1年生、青が2年生、緑が3年生なので、必然的に彼女は3年生の先輩、という事になる。
「……貴女が一ノ瀬 苺花ちゃん?」
「…えっ」