ドリーミィ✡ マジカリア
彼女がいきなり私の名前を呼んだ。
良く見るととても美人だ。
細身でスタイルが良く、整った顔立ちをしている。
その場にいるだけでオーラがあり、モデルの様だ。
「あっ、ごめんね!私は斎藤 マリア。見ての通り 雅桜中の3年生だよ!」
「え…、あ、えっと、斎藤先輩…ですか?私は新入生の一ノ瀬 苺花です……」
…どうすればいいのだろうか。
その先輩は、優しく、明るい感じのトーンで自己紹介をした。
何故かその声はさっき聞いたばかりの声の様な気がした。
「本当急にごめんね。怪しい者じゃないんだよ!!本当だよ!」
「…はぁ、そうなんですか…」
「うん!だからね、苺花ちゃんに学校案内してあげようと思って!」
「えっと、あの、…斎藤先輩と、私って、会った事とかありましたっけ…?すいません、私忘れてしまったみたいで…」
初めて会った様に思うが、それにしては先輩の態度がまるで昔からの友人に話すかの様だ。
こちらが忘れてしまっているのだとしたら失礼だろうし、正直に言った方がいいだろう。
「え?ううん、初対面だよ?あ、私の事はマリアでいいよ!」
「えぇ…じゃあ、マリア先輩…で」
「んもぉ~、マリアでいいのにー!しょうがないなぁ、許して上げよう!」
何だかすっかり向こうのペースに飲み込まれてしまった。
元気で 明るくて 可愛い マリア先輩は、ちょっと変な人だけど、悪い人では無いのだろうと何故か確信が持てた。
「じゃあ~、早速 学校案内に、レッツゴー!」