有害なる独身貴族
*
そのまま片倉さんに急かされて手紙を書き、上田くんが何故かお使いに出される。
ふてくされた彼は、「あーもう、何でもいいです」と素直に郵便を出してきてくれた。
夜の開店時間を過ぎるとその後は忙しく、私は客席、片倉さんは厨房と、それほどの接点もなく仕事をこなした。
仕事終わり、果たして私は帰るべきなのかウロウロしていると、片倉さんが口を開いた。
「つぐみ、送っていけないけど気をつけて帰れよ」
「はい」
腕まくりをしている片倉さんはまだまだやることのありそうだ。
途中まで数家さんと一緒に行き、駅からは急ぎ足で部屋まで帰る。
迎えてくれるのは、明かりのついていない物音のしない部屋。
「ただいま、おばあちゃん」
入り口付近の祖母の写真に声をかけて、返事がこないことに違和感を感じる。
数日片倉さんがいてくれただけで、今までは当たり前だったことが寂しく感じるなんて不思議だ。
大方寝る準備まで終えた頃、片倉さんから電話がかかってくる。
「もう寝てたか?」
「いえ。片倉さんは今から帰りですか?」
「ああ」
「……うちに、来ます?」
思い切って言ってみたら、小さく笑う声が聞こえた。
そのまま片倉さんに急かされて手紙を書き、上田くんが何故かお使いに出される。
ふてくされた彼は、「あーもう、何でもいいです」と素直に郵便を出してきてくれた。
夜の開店時間を過ぎるとその後は忙しく、私は客席、片倉さんは厨房と、それほどの接点もなく仕事をこなした。
仕事終わり、果たして私は帰るべきなのかウロウロしていると、片倉さんが口を開いた。
「つぐみ、送っていけないけど気をつけて帰れよ」
「はい」
腕まくりをしている片倉さんはまだまだやることのありそうだ。
途中まで数家さんと一緒に行き、駅からは急ぎ足で部屋まで帰る。
迎えてくれるのは、明かりのついていない物音のしない部屋。
「ただいま、おばあちゃん」
入り口付近の祖母の写真に声をかけて、返事がこないことに違和感を感じる。
数日片倉さんがいてくれただけで、今までは当たり前だったことが寂しく感じるなんて不思議だ。
大方寝る準備まで終えた頃、片倉さんから電話がかかってくる。
「もう寝てたか?」
「いえ。片倉さんは今から帰りですか?」
「ああ」
「……うちに、来ます?」
思い切って言ってみたら、小さく笑う声が聞こえた。