有害なる独身貴族
「食事に招待しただけだよ。何がいけないの? 良かったらお父さんたちも、とは書いたけど、別に来たくないならこなくても構わないし」
「前妻の子が、俺の今の家族を招待するのか? 何か企んでるって思われても仕方ないだろう。うちの子は今年中学受験があるんだ。家族全体ナイーブになってるんだよ、それを」
私だってお父さんの子じゃないの。
そんな反論を口の中に飲み込んだ。
「……別に、お父さんに迷惑掛けるつもりはないの。おじいちゃんに会いたかっただけ」
「親父が今更お前に会うかよ。お前のせいだろ、おふくろが亡くなったのは。俺だって許してないからな」
おばあちゃんのことを言われたら反論できない。
私が黙って俯くと、父親はわざとらしく溜息をついた。
「お前、変わらないな。相変わらず何考えてるか分からない。……知ってたか? お前の母さんはお前のことを気味悪がってた。いつからか目の前で喧嘩しても泣きもしなくなって、笑いも怒りもしない。手はかからないけど薄気味悪いって」
そんなの、小さいながらに言っても仕方ないと諦めた結果じゃないの。
離婚は二人のせいでしょう?
泣かなかった私が悪いと、この期に及んで言うつもり?
唇を噛んで黙って見つめたら、お父さんはますます怒りを増幅させた。