オトナな部長に独占されて!?
フリーズ状態から抜け出してハッとして振り向くと、西園寺部長が葉月部長に、まさに殴りかかるところだった。
突然のことに、悲鳴さえ上げられない私。
一方葉月部長は、その拳を冷静にいなして逆に腕を取り、背後に回ってひねり上げてしまった。
「ぐあっ!」
「まったく呆れた人ですね。
あなたはどこまで卑劣なんですか。
度重なる女性軽視の態度は許せませんが、あなたには家庭がある。
あなたが職を辞すれば、妻子が路頭に迷うことでしょう。
今回だけは、公にしないことにします。
ただし、今後のあなたの態度如何では、全てを白日の下に晒します。
西園寺部長、わかりましたね?」
葉月部長は警告を与えてから、ひねり上げていた腕を離してあげていた。
西園寺部長は痛そうに肩を押さえながらも憎々しげに睨みつけ、「覚えてろよ」と捨て台詞を吐いた。
ドアノブに手をかけ出て行こうとしている西園寺部長。
葉月部長は床から何かを拾い上げ、西園寺部長を引き止めた。
「お忘れ物ですよ」
それは多分、煙草の吸殻。
さっき西園寺部長が吸っていて、葉月部長が足で踏んで火を消した物だ。
それを西園寺部長の胸ポケットに押し込み、葉月部長は紳士的な笑顔を向ける。