オトナな部長に独占されて!?
30㎝上から、ダークブラウンの美しい瞳が私を静かに見下ろしている。
どうしようと落ち着きをなくしているのは、私だけ。
葉月部長はいつもと何ら変わらない、紳士的な微笑みをたたえていた。
どうしてそんなに平気でいられるの?
私だけこんなに心を乱して、恥ずかしい。
もう、いい歳なのに……。
そうだよ。愛だ恋だと浮かれる前に、社会人としてやるべきことがあるじゃない。
まずは謝らないと。
今までかけた迷惑についてを。
葉月部長の顔を見ないようにして、俯いた。
ふたり分の足元を見ながら、落ち着けと心に言い聞かせ、ボソボソと謝罪の言葉を口にした。
「盗み聞きをして申し訳ありませんでした。人事会議のことも……。
葉月部長に多大なご迷惑をかけてしまって、私はどうしたらいいのでしょう?
今回のことが葉月部長の出世に関わったらと思うと、私は何を持って償えばいいのか分かりません……」
「私のことなら気にしなくていい。それは高村さんの問題とは別物ですし、何が起きても自分で解決できる力はあります。
私はただ、あなたの仕事環境を改善したいと思っただけです。それは上司として当然の責務。
高村さんが申し訳ないと思う必要は、どこにもありませんよ」