オトナな部長に独占されて!?



一見いつもの笑みを浮かべているように見えるけど、葉月部長の目は笑っていなかった。


部長の様子がおかしいことの意味がわからず、私はオロオロしてしまう。


一方斉藤さんは、少し驚いた後に、全てを分かっているような口振りでこう言った。



「おいおい、友達を疑うのか?
人の女に手を出したりしないから。
いつの間に俺は、信用を失ったんだよ」



斉藤さんの手から私の名刺を取り返した葉月部長は、助手席のドアを開けて私をやや強引に中に押し込むと、ニッコリ笑って言った。



「和也とは今後も友人でいたいから、こうするんだよ。

何年先でもお前を心から信じていられるように、疑いの種は芽を出さないうちに潰しておく。

俺がそういう慎重な男だと、知ってるだろ?」



「信じるためにか……物は言い様だな、ハハッ。
お互い忙しいと思うけど、近い内に飲みに行こう。連絡するよ」



斉藤さんは片手を上げて挨拶すると、チョコレート販売店の方へとひとりで歩いて行った。


彼を見送ってから葉月部長は運転席に乗り込み、私に謝った。


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