オトナな部長に独占されて!?
「円香さん、すみませんでした。あなたの前で醜態を晒してしまった……幻滅しましたか?」
「そんなことはないですけど……あの、さっきのって、まさか……」
まさか、嫉妬?
私を取られる可能性を感じて、名刺を取り返したの?
会話の流れからはそんな解釈ができるけど、それが上手く心に入ってこない。
非の打ち所がない完璧な葉月部長が、欠点だらけの私にそんな感情を?
まさか、そんなことは……。
『まさか』と口にした後は、言葉が続かない。
葉月部長はエンジンをかけて車を発進させながら、クスリと笑って、私が言えない続きの言葉を口にした。
「“ まさか ” ではなく、その通り。ヤキモチです。
例え友人でも、恋人に男が近づくのを許容できません。
和也はいい奴ですが、円香さんの手を握ったのを見て、腹が立ちました。連絡先を持ち帰るなど、以ての外です。
今まで自分でも気づきませんでしたが、どうやら私は恋愛に関して心が狭いようです。申し訳ありません」
「……」
「円香さん?」