オトナな部長に独占されて!?
走り出した車内で、私は窓に顔を向けていた。
運転席は見れない。
今の私の顔はだらしなく緩んでしまって、こんな顔を見られたくないから。
どうしよう……嬉しくてたまらない。
愛されているんだと実感して、溶けたチョコレートみたいに顔がデロデロになっちゃうよ。
すると車道に走り出したばかりの車が、急にハザードランプを点滅させて路肩に停車した。
葉月部長の長い腕が顎先に伸びてきて、強制的に運転席側に顔を向けられてしまった。
慌てて両手で顔を隠してみたけど、遅いみたい。
嬉しさで緩んだ顔を、葉月部長に見られてしまった。
顔を覆う私の手の甲に、ホッと吐き出す部長の吐息が掛かる。
「良かった……。
あまりの嫉妬深さに、呆れられてしまったのかと思いました」
「違います……その逆です」
「そのようですね。
円香さん、顔を見せてください」
『はい』とは言っていないのに、両手を外されてしまった。
真っ赤な顔の私を見つめるのは、チョコレート色の温かな瞳。
その瞳に急に色が灯り、唇が重なった。
葉月部長のキスは決して激しいものではなく、いつも優しく柔らかく、私をゆっくり溶かしていくような甘いキス。
唇が離れてからも私は余韻に浸って、いつもこんな風にぼんやりしてしまう。