オトナな部長に独占されて!?
心地良い霞みがかった意識の中で、
「葉月部長……」
愛しい名前を呟くと、なぜか彼の眉がハの字に傾き、こんなお願いをされてしまった。
「そろそろ、二人きりの時は名前で呼んでもらいたいのですが」
素敵なキスの余韻は瞬時に消え失せ、再び心は慌て始めた。
彼の名前は、紳一郎。
それを口にはできないよ。
顔から火を吹きそうなくらいに恥ずかしいもの。
「円香さん、私の名前を知っていますか?」
「知っていますけど、あの……」
「呼んでください」
顎先を固定されているので、顔をそらすことができなかった。
恥ずかしがる私を真っ直ぐに見つめる、イケメンフェイス。
その微笑みには、いつもの紳士的な感じに加えて、少しだけ面白がっているような感じも見受けられた。
ずるいよ……私だけこんなに恥ずかしいなんて……。
防戦一方の私だけど、頭の中に何とか勝機を見出した。
気持ちを立て直し、キッと部長を見据えて言葉を返した。