その愛の終わりに
努めて機嫌よく振る舞えば、義直の表情は少し和らいだ。
よかった。対応は間違っていないみたいだ。
「それなら、夕食を一緒にとろう。たまには外食も良いだろう?」
「ええ、楽しみね」
美都子はひっそりと胸を撫で下ろしたが、ふと山川がこちらを見ていることに気づいた。
何かを見透かすような、透明度の高い山川の視線に、何となく居心地の悪さを覚える。
自分たち夫婦の無味乾燥ぶりに気づいたのだろうか?
自問するも、山川の表情からはなにも読めない。
「では明日、17時にいつもの店で落ち合おう」
義直の声だけが虚しく食堂に響く。
曖昧に微笑みながら、美都子は小さく頷いた。