嘘から始まる運命の恋
「へえ、そんなに小さい頃からなんだ」
「真由里は幼稚園からピアノを習ってたんだろ?」
「まあそうだけど。でも、サックスは珍しいかなと思って」
「俺の伯父が楽器店と音楽教室を経営してて、その影響かな」
「伯父様もアルトサックスを吹いてたの?」

 興味が湧いてきて、つい訊いてしまう。

「そう。それにソプラノもテナーもバスも、サックスならなんでも吹ける」
「すごい! バンドでは吹いてないの?」
「若い頃はやってたけど、今は引退して音楽教室で教えてる」
「そうなんだぁ」

 そのときドリンクが運ばれてきた。私はピーチツリーのグラスを取り上げて言う。

「今日はライブ、お疲れ様でした」
「聴きに来てくれてありがとう」

 ジンライムのグラスを持ったカイと乾杯をして、グラスに口をつける。

「んー、おいし」
「うん、ライブの後はとくに最高」

 カイが笑った。今度のはホッとしたような笑顔。ライブが終わったことに安堵しているのかな。

 そんなことを思っているうちに、料理が運ばれてきた。
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