嘘から始まる運命の恋
「今思えば天狗になってたんだろうな。高二のとき、コンクールの自由曲にサックスのソロがあって、当然俺が任せてもらえるものだと思ってた。でも、顧問は俺の後輩を指名してさ」
「それでどうしたの?」
「信じられなくて抗議した」
カイが苦い笑みを浮かべて続ける。
「そうしたら顧問に言われたんだ。『おまえの音色は一色しか表現していない。〝傲慢〟という音色だけだ』って」
「わあ……キツイこと言うね」
「そのときはムカついて、何日か練習をサボったんだ。でも、あるとき、俺のいない吹奏楽部が、練習で曲を通しているのを聴いて、悔しいけど納得した。後輩の演奏は飛び抜けてうまいわけじゃないけれど、曲に溶け込んでいる。メンバーとの一体感っていうのかな、そういうのがあって。俺の音色が傲慢だって言われた理由がわかったんだ」
「そっかぁ……」
「すごく悔しかった。あの曲は好きな曲だったから」
「結局コンクールには参加したの?」
「うん、みんなに謝ってから」
カイがグラスに口をつけた。
「それでどうしたの?」
「信じられなくて抗議した」
カイが苦い笑みを浮かべて続ける。
「そうしたら顧問に言われたんだ。『おまえの音色は一色しか表現していない。〝傲慢〟という音色だけだ』って」
「わあ……キツイこと言うね」
「そのときはムカついて、何日か練習をサボったんだ。でも、あるとき、俺のいない吹奏楽部が、練習で曲を通しているのを聴いて、悔しいけど納得した。後輩の演奏は飛び抜けてうまいわけじゃないけれど、曲に溶け込んでいる。メンバーとの一体感っていうのかな、そういうのがあって。俺の音色が傲慢だって言われた理由がわかったんだ」
「そっかぁ……」
「すごく悔しかった。あの曲は好きな曲だったから」
「結局コンクールには参加したの?」
「うん、みんなに謝ってから」
カイがグラスに口をつけた。