絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~②
☆☆☆

駅には沢山の人たちでひしめき合っていて、とても賑やかだ。


《mother》はその都市の名前の珍しさと、倒産品の多さから週末には大勢の観光客でにぎわう。


人口10万人ほどの街に相応しくないほど大きな駅には、10分おきに各地からの電車が新幹線が到着する。


人々の間を縫うようにして真っ直ぐロッカーへと向かうが、時々すれ違うスーツ姿の男性をどうしても目で追ってしまっていた。


子供連れの女性を追い抜き、大道芸人のショーを横目に見て通り過ぎた時広いロッカースペースが現れた。


あたしと優也さんはもう一度札番号を確認し、歩き出す。


ロッカースペースにも沢山の人はいるものの、まるで線引きをされているように静かになる。


照明も少し暗くなっていて、あたしたちの歩調は自然と早くなっていた。


そして……「ここだ」1つのロッカーの前で優也さんが立ち止まった。


灰色の大きなロッカーには123の数字。


優也さんが鍵穴に鍵を近づける。


スッと……なんの抵抗もなく、鍵がささった。


あたしは思わず優也さんの服の袖を掴んでいた。
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