ダントツ!!16番人気の翔馬くん
『はぁ~。』


ガクっと肩を落とした翔馬くんは頭をガシガシと掻きながら大きなため息をついた。


『新聞…』


『へ?』


そして首だけ後ろに向けた状態であたしを見下ろしながら、


『来るならついでに買ってきて。』


フッと小さく微笑んだ。


え…


それって、まさか…


『嫌ならべつに…』


『い、い、嫌じゃない!!』


あたしは翔馬くんからバッと離れると、どもりながら声をあげた。


すると振り返った翔馬くんは一瞬キョトンとするものの、あたしの顔を見つめながら少しだけ頬を緩ませた。

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