ダントツ!!16番人気の翔馬くん
そう、


それ以外に理由なんてないよっ!


あたしは翔馬を見つめながらにっこりと微笑んだ。


するとクルっと踵を返した翔馬くんはドアノブを引き、黙ったままスタスタと階段を下りていってしまった。


あ…


『ちょっと待ってっ!!』


あたしは階段の上から翔馬くんを呼び止めた。


『何?』


すると翔馬くんは階段の真ん中のあたりで立ち止まり、気だるそうに頭をボリボリと掻いた。


翔馬くん…


あたしはそんな翔馬くんの後ろ姿を見つめながら大きく息を吐いた。


そして両手をグッと握りしめると、


『明日…、新聞、持って来るからっ!!』


翔馬くんを見下ろしながら叫んだ。

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