恋に落ちるなら君がいい
4歳の頃
母は女性特有の病気で亡くなった。
俺を産んですぐに発病したらしい。
病と闘っている。そんな素振りを俺には一度も見せた事のなかった母。
いつも穏やかで
優しくて
明るくて
そんな母の姿しか俺は知らない。
眠ってる母に触れた時。
いつも優しく温かな母の手が
冷たい石のようになっていた。
温度がなかった。
母の匂いはするのに…
眠ってる母は
母の姿をした石のようだった。
冷たい手に
柔らかみのない手に触れた時
地獄の底に突き落とされたような恐怖で叫び泣いたのを
昨日のことのように鮮明に今も覚えている。
冷たい感触も
まだ
この手に残っているように…。
母が大好きだったから
母の死を
受け入れられなかった。のかもしれない…。