恋に落ちるなら君がいい
「ご自分の旦那さんと…
澪のことは最初からご存知だったんですよね?」
その言葉に三人の視線が一気に楓に向けられた。
「慧一と…澪さん?なんのこと?」
この男…
どこまで知っていて
こんな余裕のある態度をしているの…?
「慧一…、何か…私に隠してる?」
慧一の腕をそっと掴んでも
彼が自分と彼女の事を知っていたことに驚いているようで
慧一の視線は彼から離れない。
「慧一ってば、答えてよ…」
あくまでも不安気に
私はだって…
彼に尽くす
最良の妻であり続けたい。
これ以上…
慧一の心を惑わされてしまったら…
「砂月さん?俺は知ってますよ?
あなたがどうやって…
愛し合っていた2人を引き離したのか…
その証拠がこれです。」
彼が持っていた紙切れをテーブルに叩きつけると同時に手を伸ばしたのは
私と
慧一だった。
「砂月…
お前は澪のことなんて、ついこの間までは知らないはずだよなっ?」
2人同時に捕まえた紙切れが激しい音をたてて
勢いで二つに割かれて行く。