恋に落ちるなら君がいい
少しだけ残業してしまって急いで会社の出入り口に向かうと、野嶋君は先に私を待っていた。
「ごめんね。本来なら定時に終わる予定だったんだけど」
「大丈夫。広告部の方は時期的に通常よりも忙しい時期に入ってきてるんでしょ?」
「美和ちゃんにも声をかけようかと思ったんだけど…今日は2人きりのほうが都合がいいのかな?って思って…声をかけるのやめた。」
「そっか。悪いね。でもそのほうが良かった。
…何、食べる?」
「いつものお店で」
会社から近場の駐車場に向かうと、野嶋君はピカピカの新車を自慢げに私に紹介して見せた。
確かつい数ヶ月前までは親のお下がりのくたびれた軽だったのに。
「新しいの買ったの?」
「へへっ!やっぱり稼ぎ出したらやっぱ男は車に金をかけたくなるもんなんだよ。」