恋に落ちるなら君がいい


そう、彼はいつだって何に対してもオシャレなんだ。


会社の女性が楓社長に憧れる理由が分からなくもない。


彼の人生は「メリット」と「接待」でできている。


恥をかくような生き方はしないだろう。


だから持ち物一つにしても

全てに気を使っている。

きっと私服でパーティーに行ったって誰もそれを私服だなんて思わないくらい

彼はそう

見た目にも気を使っている。




私とは正反対の人生を送ってる人。




買ってもらった数十万のワンピースに袖を通した瞬間は体に緊張が走った。


こんな服を着ることがあるなんて夢にも思わなかった。


演技にしても私は「社長」という身分の人と結婚したんだな。と

変なところで実感してしまう。



こんな高価な物は本当の私には必要ない。


私はきっと…


段ボールのテーブルを挟んで

彼の笑顔を見れる。


それがそう…



何よりも幸せだったと感じるような女だから。


私に必要だったのは…




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